最近、AIを使ったコーディネートで新築を検討している、
という記事を見かけました。👀
ついにこんな時代になったんだなーって思いました。
やっぱり、私たちコーディネーターの役割って、
時代の流れとともに変わっていくんだな…。
そんなふうに少し複雑な気持ちになっていたときに、
有名インテリア系YouTuberさんが、
視聴者さんからの依頼で、
プロのコーディネーターさんの提案を添削し、
別案を出すというコンテンツを出していました。
私はコーディネーターという職業に携わっていた者として、
その動画に対してとても居心地の悪い気持ちを覚えました。
これは、これからコーディネーターさんに頼んでみたいと思われている方、
そしてコーディネーターになりたいと思われている方々に、
ぜひ知っておいてほしいと思って書いています。
動画の内容と今回の経緯
私が動画を見る限りでは、内容はこうです。
お金を払ってプロのインテリアコーディネーターに
家具配置などをお願いしたものの、
納得のいく内容ではなかった依頼者さんが、
そのプランをYouTuberに見せ、
「救済企画として取り上げてもらえないか」
と持ちかけたところから始まってます。
そのYouTuberさんは「面白いコンテンツになる」と考え、
この依頼を取り上げたそうです。
依頼者さんは、使いたい家具があることを伝え、
納得できなかったコーディネーターさんの
プランをそのまま渡していました。
それに対してYouTuberさんは添削を行い、
自身のコーディネート案を提案。
さらにAIにも同様の添削をさせ、
「自分の考えは間違っていなかった」
と補強するような構成になっていました。
その動画のコメント欄は、
「依頼者さんが救済されてよかった」という声であふれていました。
インテリアコーディネーターの仕事と現実
一般的にインテリアコーディネートというものは、正解がない世界です。
だからこそ、「どうするのがいいのか」をずっと考え続けてしまうものでもあります。
そのため、コーディネートを仕事として成立させるには、
ある程度の区切りが必要になります。
たとえば「相談は3回まで」といった回数制限があるのは、
そのためです。
そうでないと、決められない方は永遠に相談が続いてしまいますし、
逆に決められる方は1回で終わることもあります。
それでは価格の公平性が保てませんし、
コーディネーター側の時間を守ることもできません。
依頼者側に感じた疑問
そして、ここからが私が疑問に思ったことです。
今回の依頼者さんは、「納得できていない」ということを、
コーディネーターさんにきちんと伝えていたのでしょうか。
コーディネーターは知識を持っていますが、
あなたの好みをすべて理解できる超能力者ではありません。
どれだけ良いものを作りたいと思っていても、
「何が好きで、どうしたいのか」を伝えてもらわなければ、
正解に近づくことはできないのです。
そして、それを伝えたとしても、相性や感覚の違いでうまくいかないこともある
——そういう仕事だと、私はこれまで感じてきました。
だからこそ、そのやり取りの中で、
お互いに納得できるところまで持っていくという前提で、
契約が成り立っているのだと思います。
たとえ「やり取りは3回まで」と決まっていたとしても、
納得できなかったのであれば、
「これは自分が期待していたレベルではない」と、
きちんと伝える必要があると思います。
例えば、
「全体の雰囲気は理解できたのですが、
自分のイメージとは少し違っていて、
もう少し〇〇な感じに近づけたいと思っています。」
といった伝え方です。
そのうえで、自分の理想の部屋の画像を添付してみるのも一つの方法です。
そして、その画像のどこがいいと思ったのかを、
できるだけ言葉で伝えてみてください。
同じ画像を見ていても、
見ているポイントが違うことがほとんどだからです。
言葉にしないと、なかなか伝わらないものなのです。
言いにくい、失礼かもしれない——そう思う気持ちもあると思います。
でも、陰で不満を抱えるよりも、
直接「気に入っていない」と伝えるほうが、
ずっと誠実だと私は思いました。
そうすれば、そのコーディネーターさんも
そのやり取りから色々学ぶことができるんです。
そして、伝えた上でうまくいかなかったのなら
——それは仕方がなく、
それからどうするかを話し合う必要があると思います。
動画に感じた違和感
そして、ここからが私が強く違和感を感じた部分です。
同じインテリアの仕事をされているYouTuberさんが、
(もしかすると了承はあったのかもしれませんが)
公の場で、プロの仕事を「添削」するという行為です。
私はこれを、どこかルール違反であり、アンフェアなものに感じました。
今回の動画では、すべての正義が依頼者さん側に寄っていて、
コーディネーター側の立場や事情には、
ほとんど触れられていなかったように思います。
たとえそのプランの内容がどうであれ、
本人の了解もはっきりしないまま、
プロの仕事を公の場で評価・添削するという行為は、
受け取る人によっては侮辱と感じられてしまう可能性もあるのではないでしょうか。
コンテンツとしては面白いのかもしれませんし、
実際にYouTuberさんの提案が素敵だったからこそ、
なおさら複雑な気持ちになりました。
正論がすべて正しいとは限らない。
そんなことを、改めて考えさせられる出来事でした。
この出来事で感じた怖さ
そして、私はこの出来事を見て、とても怖いなと感じました。
私たちコーディネーターは、いつも「正解のないモヤ」の中で仕事をしています。
提案したものを喜んでいただけたら「よかった」と思い、
反応があまりよくなければ「どこか間違ってしまったのかな」と悩む
——そんな繰り返しです。
そんな中で、AIが簡単に「これが正解です」と提示し、
さらに人からも公の場で添削されるような時代になってしまったら、
怖くて、この仕事を続けていけなくなる人も出てくるのではないかと思いました。
もちろん、経験が不足している人もいると思います。
でも、経験を積み重ねていかなければ、
プロのコーディネーターにはなれません。
だからといって、「多めに見てほしい」と言いたいわけではありません。
ただ、一度うまくいかなかっただけで
「ダメな人」とレッテルを貼られてしまうような社会は、
やっぱり、少し怖すぎるなと思ってしまうのです。
そう、レッテルがすぐ貼られてしまい、
やり直しが効かない社会の怖さを感じてしまいました。
良いものを創るのは共同創造です。
とても長くなってしまいましたが、
インテリアコーディネートを成功させるためには、
依頼する側にも「自分がどうしたいのか」を相手に伝える責任がある、
ということを知っておいてほしいと思います。
プロだから何も言わなくてもいい、
できるだけ安い予算で理想が叶うのが当たり前
——そう思ってしまうと、どうしてもズレが生まれてしまいます。
限られた予算の中でできることには、やはり限界があります。
そして、コーディネーターという仕事を選ぶ人たちは、
「質感」や「空間の心地よさ」といったものをとても大切にしています。
物の価格と質感は、ある程度比例する——そんな現実もあるのです。
将来あなたが出会うコーディネーターさんは、感情のある一人の人間です。
お互いに気持ちよくやり取りをしていくためにも、
相手の立場を少しだけ想像してみることも大切なのかな、と思います。
自分の得だけを優先してしまうと、
関係がうまくいかなくなってしまうこともあり、
結果的にうまくいかないこともあるのかもしれません。
また、これからコーディネーターを目指す方へ。
今回のような場面に出会ったときは、
相手としっかり向き合いながら、
お互いの妥協点を探していくことが大切だと思います。
そうして関係を築けたとき、
きっと最後には「楽しかったね」と笑い合える日が来るはずです。
この仕事は、正直に言うと、楽しいことばかりではありません。
むしろ9割は悩みながら進む時間で、
残りの1割で「やってよかった」と思える
——そんな仕事だと、私は感じてきました。
そしてこれからは、AIという存在も加わってきます。
AIが得意な配置や組み合わせの提案は、AIに任せてみる。
その上で、人にしかできない「感覚」や「空気」をつくることに向き合っていく。
そんなふうに、AIとうまく共存しながら、
これからのコーディネートの形を考えていく時代なのかもしれません。
ほんと、怖い時代になったなーって思いました。
インテリアコーディネーターの仕事はなくなっちゃうのか?
今の段階では、かもしれないし、そうじゃ無いかもしれない。
——正直、まだよくわかりません。
でも確実に時代は動いていて建築業界全体を巻き込んで変化しようとしているように感じます。
インテリアに関しての話は👇
心地よい空間を作るヒント/Vol.1 暮らしを整える「手放す事」
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